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by lecanard
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見えない彼にありがとう

数年前、英会話を教えてたとき
毎日毎日、来る日も来る日も
同じ教室へ向かい、充分な準備をしてから教えていた。

職場と言っても
同僚や上司に会うわけでもなく
生徒が来るまでの数時間はいつも一人でもくもくと準備をした。
「職場」へ行くとがらんとした教室の鍵を開けて
暗い教室の電気をつけて準備を始めた。

生徒が来たら
せっかくきたのだから楽しい先生でいたい。
いつも陽気にあいさつして楽しい授業をしてあげたい。
クラスに来るのがめんどくさいなあと思ってでも
がんばって来た生徒に楽しいクラスをして笑顔で帰って欲しいと思っていた。

だから私は生徒を迎える前には自分を楽しい気分にさせるので精一杯だった。

私も人間だからいい日も悪い日もある。
一人でいてもすこぶる元気の時だって、イライラしてる時だって
とにかく憂鬱な時だってある。

でも生徒は楽しい笑顔で迎えたかった。

そんな時に私の心のオアシスになったのは
実はコンビニの兄ちゃんだった。
そのアルバイトらしき兄ちゃんは別に愛想がいいわけでも
特に別段変わった人ではなかったけど
とにかく毎日そのコンビニで働いていた。

私が来る日も来る日も暗い教室の電気をつけたように
その兄ちゃんも毎日毎日コンビニのレジ打ちをしてた。

ただそれだけのことなんだけど
毎日何かを継続してやってるって人を見るだけで元気をもらった。

毎日そこでお昼のオニギリを買っては
教室に戻り、一人オニギリ片手に準備をして
「今日も一日がんばるぞー」って思ったのでした。

そして生徒がクラスに来て彼らの顔を見ると
私は憂鬱だった自分の気持ちさえ忘れ
生徒と自分で作り上げる毎日のクラスを心から楽しんでいた。

きっとその兄ちゃんは私が彼から元気をもらってたなんて知らないし
これから知ることもないだろう。
by lecanard | 2004-09-14 12:48 | 日本